男ディism一人旅・名古屋後編(新谷良子)

ハッ!…気が付くと俺はサウナにいた。記憶が曖昧だ、霞がかっている…もしやあの時飲んだ酒に何か”昏睡作用”が!?もしや俺の命を狙う”敵国”の”隠密”の仕業が!?まさか、そんな!?いやその”まさか”が!?四面楚歌…そんな四字熟語が浮かばなかった……


男の一日はおしっこから始まる。じょーーー、気持ちいいじゃない。続けざまにお風呂に入る。しゃわーーーーー、気持ちいいじゃない。今日はママがいないから自分で体を拭かなくっちゃ。うんしょ、うんしょ。このように男の一人旅には時に想像を絶する厳しさが訪れる。だがしかし、苦難を避けて歩いてちゃ…本当の男にはなれないぜ。あ、お腹空いた。ねぇー、ゴハンマダァァァアァッッ〜〜〜!??!?


真の男はこだわりをもたなくてはならない。いくら腹が減っているからといって目の前に出された食事に即ガッツくのは我慢が足りなさ過ぎだし行儀も良くない。十二分に吟味し、目当ての店へ足を運ぶ、その「ゆとり」がまた一つ男を大らかに育てるのだ。そう本で読んだので四つ先の駅まで徒歩で向かってみた。ランチタイムが、終了してた。お師様のうそつき!!!


ヤバ豚。おっと、変換する個所を間違えただけで大変な事になる。正しくは矢場とん。美味しかったゼ!?forマリエ。


絵画、陶芸、音楽etc..真の男は芸術にも精通しているものだ。ご多分に漏れず俺も男の中の男を自負しているからな、この日もツタヤで「あゆ」のCDをゲットしておいた。ドヴォルザークばりにイイぜ、孤高まであと一歩だぜ。


ドヴォルザークを買いながら雑誌まで歩く。駅に乗って電車までたどり着いたらボトムラインが一杯。ヲタ。


(真顔でレポ)
良子ちゃんにとって二回目となる今ツアーは前回のクエストを経て、早くも次なる段階を見せる内容になっていたと思う。前回が全力で挑む真っ向勝負なら今回は抜き手差し手を交えた巧妙な舞台性を伴った演出、押せ押せな楽曲は少し控え、ムードや世界観を構築するミュージカル的なノリを孕んでた。今回から良子ちゃんを見る人がどう感じるのかはわからないが彼女を既に知っている人間にとってはまた新しい側面を見ることができ、魅せる部分のプライオリティを十分に感じ取れたのではないか。特に自分が感極まったのがピンクバンビバンドによるインストから紡がれた「Chaind Diary」。黒の、ゴス気味な衣装に着替えた良子ちゃんが今までにない位真剣な、笑みさえ無い深刻な真顔で悲しみを歌い上げている。喜怒哀楽で言えば「怒」と「哀」の表現に足を踏み入れた彼女を垣間見た。あとアレ、「ヒットパレード194」のアウトロで「ヒッパレ!ヒッパレ!」って煽るのが非常にイイね。音源には無いライブだけの醍醐味を重視しているのはライブ会場限定の曲、「はっぴぃはっぴぃすまいる」の存在で十分に伝わる。先の文章で「初心者がどう思うかはわからない」と書いたがやっぱし撤回、きっと今回の方が「お約束事」を知らなくても視覚的にも、即興のノリ的にも楽しめると思うわ。
難点は演奏の荒さかな。練習不足が目に見える曲がいくつかあったし(顕著にそれを感じたのが「Pretty Good!」、凄く楽しみにしていただけにそのグルーヴの薄さにガッカリ)良子ちゃん自身も声が全然出てなかった、というか自分のものにでききっていない曲がいくつもあった。メンバー全員が譜面通りに演奏できてはいるんだが完璧に自分の曲にでききっていないから他のパートとの相性にまで気がまわるはずもない、といった印象か。ここぞ!という盛り上がりパートの一発目だっただけに「Pretty Good!」で出鼻を挫かれた感はある。
ま、苦言も呈すが総合的に見れば…好きなもんは好きだからしょうがない!!それでもすげえよピンクバンビバンド、多分俺、この面子じゃなかったらこんなに好きになってねーよ。新谷良子with、じゃない、新谷良子がピンクバンビバンドのヴォーカルなんだよ。凄ぇ。弾けまくる部分が少なかっただけに熱狂度は少し薄かったけど(それ故か知らないが翌日の東京を俺はドタしている)スケールの広がりをひしひしと感じるライブだったよ。やっぱこれは…金沢行くしかないよなぁ。


満面の笑みでながら帰京。満身創痍、もう何も書く気が起きない。


最後に…
男の中の男は一度やると決めた事は絶対にやる!東海地区へ来たのだからSPYGIRLを買って帰ると誓ったのだ、例え発車15分前であっても、辺りにコンビニが見当たらなくても見つかるまで見つけるまで探しまわる!男の信念岩をも通す!ついにゲット!!(俺、この「ゲット」って響きがたまらなく恥ずかしくて嫌いなんだ。)


由華ちゃんを手に入れるその瞬間まで、男ディismの道は辛く険しい……