あの世へ…

霊界からこんにちわ。提供に集英社、司会は小兎さんでお送りしています。


昨日は「あの世」という名前に惹かれてLOFTへライブを観に行ってきました。バンド名が「あの世」。正式な表記は「ANOYO」だとか?その他の出演にも「六畳人間」が組まれてたので一粒で二度美味しい(と、終演までは思っていた)ブッキングでしょ。


しかし期待は裏切られた。


ANOYO」。とんでもなく電波走ったネーミングのセンスに俺は期待しすぎていたようだ。HP(http://homepage3.nifty.com/anoyo/anoyo1.htm)のデザイン等から伺えるそのアート性に過剰な信頼を置きすぎたようだ。


こう言っては申し訳ないが、百歩譲って演奏はいいとしてボーカルがショッパすぎた。不協和音なサウンドに乗せてこの世の無常を叫び、嘆き、説くのが彼らのスタイルのようだがそれ自体はまだいい。いい、とと言っても好意的に迎えているのではなく「その手のスタイルのバンドはゴマンといるのだけれど上手くやってくれるなら嫌いなジャンルではないよ」という甘受だ。
けれど彼らはまだそれを上手くはやれていない。何かを説く、という行為には受け手を感心させる、丸め込むほどの度量がなくてはならない。だってそこには音楽をツールとして使って思いの丈をぶつけようという意思があるのだから。ひいては卑屈な言い方、純粋に音楽だけを楽しんでいるのではないって事にもならないか。


噛み砕いて言うならば「受け手に解釈を任せる音楽ならばその楽しみ方は無限、それとは反対に己が世界を展開するのならば圧倒的なカリスマ性なくしては不可能だろ」って事。ダンスミュージックは歌詞を必要としない、客席は各々が自分のリズムで踊りだせるって事。君は何を見て何を感じてきたんだ。自己満足なだけの表現に陥ってないかい。


とにかくもっと本を読んだほうがいい。見識を広げた方がいい。「第三次世界大戦がどうこう」とかそんな陳腐な設定は要らない。「あのコ」とか「彼女」とか妙に詩的な言い回しも要らない。どこかで聞きかじっただけのような、誰かから借りてきただけみたいな哲学を押し付けられるのにゲップが出たんで最後まで見るのがしんどかった。耳障りがいいだけのファッションでは俺は奮えない。


ANOYO」だけが悪いんじゃないけどこんなバンドが多いよな。なまじバンド名とかが目を引くから無茶な期待をしてしまったところもある。でも全部、音楽あってのことだから。ポエトリーリーディングとかじゃないから。頑張ってくれ、「ANOYO」。




★六畳人間
三年ぶりくらいに観た。良い意味で変わってない。すごくわかりやすく言って「ゆらゆら帝国」なバンドさんなんだがドラムとギターはゆら帝より上手いかもしれない(笑)
ギターの弾き方もいやらしくていい。と、思いきや突如(サイケなバンドにはありがちっちゃありがちだけど)のたうちまわるみたいに暴れだす。ギターがね、ぴょん吉くんみたいに奏者の体を引っ張りまわすのよ。ギターに引きずられるみたいにしてステージを暴れまわるのよ。その一つ一つの動きが、どの瞬間を写真に納めてもいいくらい絵になっててカッチョイイのだよ。もうちょっとだけ歌に情念がこもって、歌詞が切なくなったらもっと好きになれそうなんだけど今はCDは買わない。あ、歌そのものは相当上手いのよ。ついでにドラムの叩き方も相当カッコイイぞ、俺はそこに一番目がいった。


★DURGA
ボーカルのシトが小さい!系統的には…裸足で血管ビキビキ系?バックホーンとかの類になるんかな。
ここも歌詞が陳腐だったのが気になったがステージは(ボーカルさんが)全身全霊でやっているように見えたしところどころで一気にテンション上がっているのが伝わってきたので凄く感情移入しながら観る事ができた。各々がきちんとした仕事してる、もっと大きな音で、全部を飲み込むような音で聴いたら気持ちいいだろうなって思った。


他に「Dizzy up the girls」というバンドさんと「puff noide」というバンドさんが出てた。前者は演奏も纏まっているし(特にベースの人が体中リズムに溶け込んでたのが印象的)ルックスもイイし女の子にはウケるんだろうなーって、売れそうだなーって思った。後者は…まだ若いのかな?頑張れーって感じです。下手下手なMCとか、一生懸命な感じが可愛かったです。




お金をとるって大変な事です。
相手が誰なのか知り尽くせないならポップさは万人が共有できる出入口として大きく役立ってくれると思ってやっていこう。