封を閉じれないラブレターの様

今朝の酩酊騒ぎが祟り、ものの見事に遅刻をぶっかます、最後までどうしようもない後輩でごめんよ店長。アナタからは色んな事を教わりました。齢同じくしてこんなに出来た人間を私は他に知りません。大きくもあり(体格も然り)同じ目線も持ち、いつも全力で向き合ってくれた店長の下で三ヶ月間、本当に短い間だったけれど三ヶ月間一緒に仕事をすることができて俺は結構幸せもんです。アナタがいなければ、仮にアナタが店長でなければ俺はこの店に採用もされておらず未だに無職のニート君たちの先駆けを邁進し続けなければならなかったようにも危ぶまれます。救いをどうも。ミスやいい加減な仕事の耐えない自分ですが、これからも己の為店の為、粉骨砕身(でも休みは主張する)働かせてもらうつもりです。来年誰か一人クビになるかもだそうですが気にしないで働きます。アナタの人生もこれから先見えず波乱万丈で悲惨な荊の、目も当てられない修羅の道となるでしょうがまぁそこはどうにかしてください。どうとでもなりそうです、アナタを見てきた俺の確信です、店長。なんて文章を、アナタが最後によこしたメールの返信を二日も滞らせてここにジメジメと書き綴っている俺は一体どうしたもんなんでしょうね。違います、アナタへの思いは複雑すぎて、メールや電話じゃ上手く伝えられそうにないんです。最後の最後、無理にでも残業をして一緒にお店を閉められたことも、アナタが伝票を数え忘れてて危うく罰金を分担しなければならなくなって仄かな殺意を抱いた事も全て煌き輝いて見えます。大阪へ帰っても頑張ってください、一児の父と夫の両立、自分のお店を開いたら連絡頂戴ね、その時は必ず足を運ばせてもらうからね。もうヘルスにははまらないようにね。不肖の弟子で申し訳無いです、遮二無二足掻くだけ足掻いて俺もいつかアナタに話した自分の店を持てるようになったならその時はまた東京へ遊びにきてください。子供はウザイので連れて来ないでね、泣くし。


そうだ、これを転送しよう。それをもって返信と当てよう。名案。そしてこれはラブレターでも無ければその前に紙ですら無い。当然閉じるべき封そのものが存在しない。