サイしば。

まずお礼。
昨日の回に並び、奇しくも会場に入れなかった友人が本日午前の急遽追加分のチケを確保してくれた事に感謝。
そしてその際、惜しまずに協力してくれたという周りの方々にも感謝。


そもそもはそれほど期待していなかった。過去にTVで放映されたもののダイジェスト版が流れる程度のイベントだと思っていたから。
でも違ったね、本当に行って良かった。
これを書いているのは12日の午前なのでネタバレは無問題だと思うので軽く内容にも触れつつ話を進めていこうか。
午前8時に下北の駅で友人2人と待ち合わせ、一番家が近い俺が一番最後に到着という不毛っぷりを早速披露してみせる。どうだ!!
朝メシだキョンビニだには目もくれず会場へ、到着してみると「あぁ、ここだったのね」とすずなり横丁じゃないですか。昔バイトを探して一時期この界隈に通った記憶有リマス。
夏の太陽は殺人兵器、そいつがいよいよ迫り来る瞬間を予感し、次第に言葉数が少なくなりそうなそのギリギリのタイミングで俺たちの予想を裏切って会場スタッフは予定を早めてハコを開けてくれた。
配布されていたチケットをスタッフに見せ、ホリケン氏に軽い会釈を交わしながらアンケートとパンフを手渡しでいただき入場、何かが変だこのイベント。
空席に飛びつく様は腐餓鬼のよう、そんなみっともない事しません、エチケットを守って滑らかに着席。実に鷹揚、ジェントル。
心地よい空調の波に眠りを誘発されそうになるも寸でのところで覚醒は危機一髪。かどわかされてんなよ、俺。
前説のモロズミという男が笑いを交えながら軽い注意、及び本日の進行を説明する。どうしてこれがなかなかの紳士な対応でますます俺はぎこちなさを感じる。完全に負け犬根性。
必要以上に待たされる事もなくすぐさま続いて本編の上映。
当時アイさがで放送されていた全9話の中から第7話を除いた8回分が上映される(第7話がカットされたのは別に深い意味があるわけでなく、単純に時間の都合上筋書きに必要の無い回を削っただけのことらしいです)。
実のところ非常にお恥ずかしい話なんですが私、この時までマトモにサイしばを観賞した試しがなくてですね、1、2回分だけを掻い摘んでちょちょっと観ては「あ〜、こりゃいまひとつ」だなんて判断をしてしまっていたのですよ。


大きく謝罪します、あれは完全に、間違いでした。


一回10分という短い枠の中で起承転結有り、きちんとオチまでの伏線も細やかなところで張っており、それでいて笑いのエッセンスでオチから目を逸らさせてみたり、と中々好感触。
例えばこれに出ているのがメロン記念日4人でなく田上よしえ森三中の混成軍だとしても違和感無く楽しめるものになっていたのではないでしょうか?(尤も、とっつきにくさは半端ないと思いますけどw)
ホリケン氏の演技にも着眼しないワケにいかない。
個人的には第8話のようなコメディタッチで描かれている回にこそ一番の才能を感じたのだがそれ以外においても非常にわかりやすい演技で円滑な進行に一役かっている。
良い意味で疑問を持たせないのだ。話がわからなくなる、立ち止まる躓く瞬間が極めて少ない。
言い換えると子供向きとなるかもしれないがそれはそれで何ら問題ないのではないだろうか。骨組みの上に塗されている香辛料はピリリと辛くまた甘く、例えるならラッキョウのような若干の噛み分けを必要とするものが大半であったように思えるし。
またこのドラマの興味深いところは回を重ねる毎に面白さが増していくというところだ。
俺が予備知識程度に見ていた話はどれも初期の放映分であった、それ故に匙を投げ出してしまったところもあったのではないか。(と自分に退路を作ってあげる。)
特に第5回を過ぎてからの盛り上がり、テンポの良さには目を見張るものがある。加速度を付けてぐいぐいと視聴者を知らない地点に運んでしまう。
事実この日ですら序盤はおざなりというか雰囲気のままにスクリーンに焦点を合わせていたものだが後半に差し掛かってからはぐいと席から身を乗り出す程、真剣な眼差しで魅入ってしまった。(観ていない回だから新鮮だったのでは?という指摘は受け付けませんよ)
そうこうしている内にストーリーはひとまずの終焉を迎える。
「うん、これはなかなか面白かった。これを今まで観ていなかったなんて俺は人生の半分を損していたかもしれない」なんて友人と空想の中で会話をしていると間髪入れずにスクリーンが光りだす。
「サイしば2」だ。
これは…素晴らしかった。でもきっとこの先の話をしてしまうのは野暮も野暮、これから先放映、または上映、DVDだって何だっていいやい!と期待をしている愚図人間の数少ない享楽を奪い取ってしまう結果になりかねない。
そんな恐ろしいこと、ワタシにはできない…
なので以下(ryとさせていただこう。
きっとこの続編が日の目を見ることを信じて。
その時は兎にも角にも一度観ておく事をお勧めする。つい先程半分と言ったが、続編を見終わった後の俺はきっと「If(もしも)コイツを見逃したまま生涯を終えたら、俺は人生そのものを棒にふってしまった事になってしまっていたんだろう………俺の人生は…ゼロでは…無かった…」と今はの際に言い放って静かに、そして満足そうな表情を浮かべてこの世を去ることができそうな気がする。
君も観るべきだ。
そう、例え女房を質に入れてでも…