Salyu 1st live tour ”landmark” SHIBUYA-AX

順を追って列記とか、逐一に説明とかそんなのできない。ただもう、Salyuの歌声に持ち上げられて地上数センチのところを浮遊するだけ。次々と披露されてもまだまだ尽きない蔵書の数々、もう、一曲目の「Peaty」から本編ラストの「グライド」まで余計な事を考える隙間の無いライブ。芸歴は長いとはいえまだまだ新人、とんがった部分や剥き出しの部分が痛々しく突き刺さる、それがまた実にいい。今はまだ責めの時、新曲「風に乗る船」はとんでもなく煌びやかでキャッチーなイントロに一瞬戸惑わせるも難解な、届きそうで届かない歌メロにもどかしさをくすぐられて、きっとまた何度もCDの再生ボタンを押してしまうのだろう。よく練られた構成、セットリスト、そしてVJの技術がこの空間を何倍にも非日常に仕立て上げてくれた。まだSalyuを知らない人、絶対に損をしている。この日記を読んでもし少しでも気に留めてくれたならレンタルでもいい、一度でいいから聴いてみて。その時はできるだけ部屋を暗くして、対自分核、サラウンド宇宙をイメージして。そして気に入ったならライブに行こう。野外じゃダメだ、イベントでも保証はできない。でもワンマン、ワンマンの完全、徹頭徹尾Salyuに浸って彼女のスペーシーを存分に浴びてみて欲しい。痺れたり息ができなかったり、そんなライブレポみたいな文章を今度は自分で書きたくなるはずだから。


「landmark」、呼吸のできない一曲。ボクの人生においてこれほどまでに胸を締め付けられて歯がゆくなった曲は未だ無かった。


でもアンコールは蛇足。皆「to U」が大好きなようだけど、そりゃ悪いはずがないんだけどどうしても桜井臭のする土臭い泣きメロが嫌いだ。どこかに少し、乾いた部分や俯瞰的なものを残していてほしかった。


終わってから恵比寿までタクって軽く飲んだ。バーテンダーさんの手元を見てたら会話ができなくなっちゃった。凄い、匠の技。吉祥寺帰ってラーメン食って、それでも足りないからもう一杯だけモルト飲んで現在。明日は不動産をまわりたいです。代々木に越したい。