脱力紳士

何もしたくはない。仕事に追われて何をする気もおきやしない。何の因果で俺ばかりこんな目に遭わねばならんのだ、どんな行だどんなカルマだ。日々が澱んで見える、どどめ色or鈍色。泥濘に浮かぶ灰汁や泡の様に今年は儚くそこに佇んでいようと新年早々決心してみた。「罪だね、こんなにも信じさせたくせに…」とはかの有名な京本政樹の1stLP「ラブレーの夜」の帯に書かれている一説だが凡人のワタクシには何の事やらさっぱり、ちんぷんかんぷんなんだがそこから発する香気、色気のようなものは何となく感じ取ることができる。ついでに言えば氏の4th「パーティー」には「口づけさえも(台詞入り)」という楽曲も収録されているがそんな注釈は毛頭必要無い。


部屋が狂乱しすぎてて俺が一挙一動を起こすたびにやれ「がしゃーん」、だとか「ぼばん」等といった奇怪なラップ音が炸裂する。お陰で俺は身動きを取れずとうとう便所と玄関の他に移動を許される場所が無くなってしまった。玄関→便所→俺という図式はさながらイゼルローンのようではあるまいか。さっきも足の裏にCDの破片が突き刺さって痛い。…ブン…ブン…何だか体の内側から残虐な信号が発せられてきているのでこのままだとこの部屋全体が瓦礫の山となるのはもう時間の問題。レスキューミー。サルベージミー。